Exhibition
展覧会情報


Waving Slash /
会期:2025-4-12(土) 〜 2025-4-27(日) 12:00〜19:00
作家:大﨑緑、北村侑紀佳


会期:2025年4月12日(土)〜4月27日(日)
休廊:月曜日
時間:12:00〜19:00
トークイベント:4月12日(土)17:00〜
展覧会について:
一枚の布のはためきについて、つぶさに考えてみよう。大﨑緑が版画技法を用いて描きだす水面の、あるいは北村侑紀佳が出力する寝具のイメージの。
彼女らは、それぞれの表現技法において、2つの要素が立ち現れる「うつしとること」、そして「重ねあわせること」を共通して実践する。そこに、主観性/客観性、自己/他者(世界)、虚構/現実といった領域に向かう制作主題を、動きを感じさせるモチーフとともに組み込んでゆく。
しかし、ここに差し挟まれたスラッシュ[/]たちを、2つの世界を切り分ける存在として用いようとしているわけではない。むしろ、大﨑の場合は作品そのものが、北村の場合は作品群の中で揺れ動くことで、観者の意識のなかに微かな地形と時間を呼び起こす。まるで布が立ち上がり、その断面が直線から曲線へと変わる瞬間のように。
境界が連続したまま表裏が交差する作品は、私たちにアンビバレントな領域を差し出してくれるだろう。(文・松村大地)
作家について:
大﨑緑は版を介して水面を描いた布で空間を作り、北村侑紀佳は寝具のイメージを自らの手やAIで加筆して絵画と写真のあいだを探ります。2人は「うつしとること」や「重ねあわせること」で、スラッシュで分けられていた領域を渡ります。布がはためくと、その断面は直線から曲線へと変わります。私たちの意識に微かな地形や時間が呼び起こされるとき、境界は破れることなく交差しはじめるでしょう。(文・松村大地)