Exhibition

展覧会情報

Gallery Garage Gallery Garage
泰山タイル泰山タイル

泰山タイル里帰り展

泰山タイル

場所: Gallery Garage
会期: 2024-03-15(金) ~ 2024-03-20(水)
時間: 12:00 - 18:00

展覧会内容

かつて南区にあった泰山製陶所は、のちに“美術タイル”と呼ばれる美しいタイルで住宅や近代建築を彩りました。
タイルと共に地域の記憶とこれからを共に考えましょう。

●2024年3月20日(水) 14:00~ トークショー
池田泰祐(池田泰山の孫。モザイクタイル作家)
柏原卓之(泰山タイル愛好家)
加藤ゆうこ(まちづくりアドバイザー)
髙尚赫(同時代ギャラリー代表)

詳細

泰山タイルと泰山製陶所について

泰山タイルとは、泰山製陶所で作られた建築用のタイルです。
そして、泰山製陶所とは、かつて東九条にあった製陶所で、1917(大正6)年から1973(昭和48)年まで、高瀬川沿い、九条下ルの地に工場があり、器などの日用品、装飾品、そして瓦・煉瓦などの建材の制作をおこなっていました。特に現在再評価が進むのは、この製陶所で焼かれたタイル、「泰山タイル」です。
泰山製陶所を創業した池田泰一(泰山・1891~1950)は、愛知県の出身で、京都に出て、京都市陶磁器試験場が設置した附属伝習所で、京焼・清水焼の技術を習得しました。伝習所を修了したのち、国立大阪工業試験所や、常滑(愛知県)の久田吉之助の工場などで研鑽を積んだのち、京都で泰山製陶所を設立しました。
泰山タイルの特徴は、職人による手作りの良さが生かされたものであると言われます。「スクラッチタイル」などの表面の加工や、さまざまな釉薬の探究により作られたタイルはその美しさから、のちに「美術タイル」と呼ばれるようになりました。外壁や水回りに建材として使われたほか、タイルそれ自体が美術工芸品として重宝され、建物の装飾やオブジェとしても使われました。特に「集成モザイク」は、その後のタイルによる美術の展開へと道を拓きました。
泰山タイルが操業していた時期は、日本の近代建築が花開いた時期と重なります。その設計を担ったヴォーリズ、武田五一、村野藤吾などの建築に使われたタイルの一部は、現在でも建物と共に見ることができます。また、日本の建築と共に海外でもたくさんの国で使われました。しかし、既に失われたものも多数あります。所有者の移転や、建物の保存の問題などもあり、次々に解体されているのも現実です。
著名な公共建築や商業施設、実業家の邸宅や別荘だけではなく、個人の住宅や、喫茶店、銭湯、旅館といった身近な場所にも、泰山タイルは多数使用されています。泰山タイルの場合、タイルを納品しただけでなく、施工に関わったことがわかっている場合もあります。京都でも、個人宅や事業所で大事にされてきたタイルがたくさんあり、製陶所のあった東九条をはじめとする南区内、そして周辺の地域にも、非公開の物件を含めると泰山タイルの痕跡がいくつも残っています。そして、まだそれと判っていない建築物もあると考えられています。

泰山タイル 泰山タイル
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